ピョートルのモーツァルト最高!

 

 最近頑張ったので自分へのご褒美に久しぶりにCDを買った。ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ&指揮)、いわゆる弾き振りのモーツァルト、ピアノ協奏曲25番&27番である。特にモーツァルト最期の年の作品、最後のピアノコンツェルトの27番が好きで、ピョートルがどう解釈して演奏しているのか、興味津々だった。

 

 真嶋雄大氏によるライナーノートによれば、アンデルシェフスキは「コンツェルトに関しては、モーツァルトに並ぶものはないと位置付けており、終局的に自身が回帰するところはモーツァルトのピアノ協奏曲と確信している」という。そしてこのように演奏を表現している。

 

 ----鮮やかなピア二ズムを展開している。清冽なタッチからは薫り高い気品が立ち上がり、潤沢な音楽性と厳格なコントロールはモーツァルトの核心に迫る。後期作品に見られる雄渾さと壮大なスケールを丁寧に読み解き、柔和な緊迫感と、端正かつ内的な強靭さを携えた風格は、歩んでいく道程に生命の灯をひとつひとつ燈すようでもある。----

 

 まさにこの通りだと思う。正確で美しい言葉、文章で、アンデルシェフスキのモーツァルトを言い尽くしていると思う。

 

 日本の誰だか忘れたがピアニストが「モーツァルトはシンプルで難しい」と言っていた。当たり前だ。シンプルこそ難しい。だがモーツァルトはただのシンプルではないのだ。アンデルシェフスキは、わかっている。そう思った。


木下忠司氏をもっとリスペクト

 ちょっと前だが連休の最初の頃、4月30日に作曲家の木下忠司さんが102歳で亡くなった。新聞の死亡記事で知ったが、「トラック野郎」の音楽もつくっていたのか。「水戸黄門」は知ってたけど。

 

 さっき「脳ベルSHOW」で、新聞のラテ欄のタイトルを隠し、そのタイトルを当てる問題があった。二谷英明氏ら出演者の名前ですぐわかった。「特捜最前線」だ。あの音楽も木下忠司さんの作品だった。オープニングのテーマミュージック、そして最後の「白い十字架」。チリアーノの哀切なヴォーカルがよみがえる。

 

 さらに思い出す。木下氏の作品でカンツォーネの女王といわれたミルバが日本語で歌った曲があった。とてもいい曲だった。タイトルを今すぐ思い出せない。調べるが、誰か知ってる人いませんか。

 

 それにしても、マスコミの扱い、小さく、少なくすぎないか。もっともっと取り上げられていい作曲家だと思う。氏は音楽というより映画音楽が好きなんだと言っていた記憶がある。あっちでいえば、エンニオ・モリコーネかな。

 

 あっ、ミルバが歌ったのは「二人の星」だったか、「夜空の星」だったか。絶対思い出してやる、調べてやる。


ボストンを LOOK BACK

 昨夜、見るともなく見ていた「SOUL TO SONG」で、再放送だろうが、ボストン「宇宙の彼方へ」をやっていた。ボストンのCDは持っていないが音源はパソコンに仕込んであって、時々車でかけて聴いている。昨日の放送で興味深いことを聞き、なるほどと思った。

 

 それは、アルバムの制作はトム・ショルツが一人で楽器を弾き、ボーカルだけブラッド・デルプに歌わせ、多重録音でトムが一人でミキシングしてつくっていたというのだ。またギターの特徴的な音はトムがオリジナルのエフェクターを開発工夫してつくりあげたというのだ。その後、エフェクターを正式にどこかのメーカーで製造したという。

 

 トムはMITの秀才だった。当時ボストンの情報として、ハーヴァードだかMITだかの学生出身でインテリというのは聞いていた。卒業後は一時、ポラロイドに就職したらしい。

 

 そしてこの点。トムは多重録音に普通は必要なリズムボックスを一切使わず、テンポを手拍子で測っていたというのだ。そのことでかえって迫力が生まれ、一人の演奏なのに、複数人のバンドの演奏のように迫力が生まれたというのだ。

 

 これって意外に重要なヒントを与えてくれていないでしょうか。微妙なズレ、差異が「ナマ」的なサウンドを生む。デジタルに抗したアナログの持つ力。 そういえばマントヴァーニー・オーケストラはストリングスの演奏を何人かずつ、少しずつずらすことでエコーみたいな効果を出していた。

 

 ボストン(というかトム)のギターサウンドの特徴も、アコースティックがそのまま伸びるような音であることだ。ここで思い出すのは1960年代に日本でも人気のあったスウェーデンのバンド、スプートニクスだ。歪みのない、きれいな音のギターが中心だった。あのギターを弾いていたリーダーも確か工科系の大学出身だった。当時、恐らく初めてのワイヤレスのアンプを使用し、客席に下りて来ながら演奏がステージのアンプから聞こえてきた時は、おったまげた。

 

 トムは小さい時からクラシックが好きで聞いて育ったという。本人が「クラシックとロックの融合」なんてことを放送で言っていた。クラシックとロックの融合といえば初期のクリムゾン、イエス、ELPあたりが本家だろうが、クラシックにもいろいろあるから、ややポップ寄りということになれば、ウォーカーブラザース、ムーディブルースなども入るだろう。ボストンはどうか。ジャンルではハード、プログレ系でややポップ寄りということになるらしい。ま、ロックでいいか。

 

 トムは「記憶を純粋に全体的によみがえらせるのは音楽なのだ」といった意味のことを言っていた。やはり70年代のロックはいいなあ。「スモーキン」「アマンダ」なんかをまた聴いちゃった。

 

 ちなみにブラッドは自殺しちゃったらしい。あのハイトーンのヴォーカル、よかった。遅いけど、合掌。

 

 


貝殻減らして

 車で音楽をシャッフルでかけてたら、弘田三枝子さんの初期のヒット曲「渚のうわさ」が流れた。橋本淳作詞、筒美京平作曲というからプロの大御所の作品である。確か出たのは60年代、若い女の子のせつない恋心を、弘田さんが時に繊細に、時に持ち前のパンチ力も生かしながら歌い上げる。いい歌だな、と思う。

 

 終わった直後、カミさんが「えっ!?」「どういう意味?」と声を上げた。「何?」「貝殻へらしてって、どういうこと?」一瞬置いて、小生ふき出してしまった。問題の歌詞は後半のこの部分である。正しくは

 

 ----あなたの いない渚は 青い星屑だけが 貝殻 照らして 濡れていた----

 

 いい歌詞でしょ、ここがポイントでしょ、その「照らして」を「減らして」と聞き違えるなんて。三宅裕司さんの奥さんみたい。すぐに訂正してから、空想がふくらんだ。「貝殻を減らすって大変だろうな。石かなんかにこすって、一つなくなるまでどれぐらい時間がかかるだろう。大きさにもよる、貝の種類にもよるけど」と、どうでもいいバカな会話。

 

 仏教の億劫という言葉が浮かぶ。天女の衣ですり減る岩山。渚に無数にある貝殻、全世界のそれをこすって減らす所要時間。あるいは「一つ積んでは父のため、一つ積んでは母のため」。さざれ石じゃないけれど、気の遠くなるほど長い、無限の時間には石、岩とか固いものがふさわしいみたい。するとカミさんが言った。

 

 「別に一つずつ石にこすらなくてもいいんじゃない? ショベルカーかなんかで大量に運んで処分しちゃえば?」

 

 ショック! こっちはなんとスケールの小さいことを考えるのだろう。そうか、「貝殻を減らす」にはブルトーザーですくってダンプカーで運べばいいんだ。っていうかそもそもあんたの聞き違えだろうが、きっかけは。ことほど左様に、女性は大胆、男は小さい。って小生だけの話を敷衍してはいけないか。

 

 神経をすり減らすようなことも少なくないけど、ショベルカーで運んじゃえばいいんだ。処分場はどこ?


ジョン・ウェットン追悼

ジョン・ウェットン

 

 今日なぜかクリムゾンを聴きたくなって、クルマでかけていたのだが、帰ってパソコン開いたら訃報が載っていた。ジョン・ウェットン、67歳。ああ、この偶然。

 

 ----英プログレッシブ・ロックバンド「キング・クリムゾン」や「エイジア」などで活躍したロックミュージシャンのジョン・ウェットン氏が1月31日、死去した。67歳だった。ジョン・ウェットン氏の公式ホームページ(HP)などで発表された。公式HPによると、長い間、結腸がんで闘病を続けていたという。1月11日には、医療チームの助言を得て新たな治療を行うため、春からの北米ツアーを欠席すると発表していた。

 1949年、英中部のダービー生まれ。70年代前半に、キング・クリムゾンに加入。ベースやボーカルを担当し、アルバム「太陽と戦慄」「レッド」などの代表作を残した。

 82年には、スティーヴ・ハウ、ジェフ・ダウンズ、カール・パーマーの各氏とエイジアを結成。ファーストアルバム「詠時感〜時へのロマン〜」が全世界で大ヒットし、その後も話題作を発表して、エイジアを世界の“スーパーグループ”に押し上げた。公式HPによると、エイジアの活動がウェットン氏のキャリアの中で「最大の商業的成功を収めた」としている。

 その後は、ソロでも活動。来日公演では日本語で来場者に語りかけるなど日本でも多くのファンを獲得した。

 ウェットン氏の訃報に接し、カール・パーマー氏と、ジェフ・ダウンズ氏はエイジアの公式HPにコメントを掲載。「世界はまた1人音楽の巨人を失った」(カール・パーマー)「彼の声は、神から与えられたものだった。彼は文字通り“特別”だった」(ジェフ・ダウンズ)などと、盟友の死を悼んだ。----

 

 あんな男性的な魅力的なヴォイス、ほかにいない。クリムゾン、エイジアといったプログレのヴォーカルとしては最高だった。思い切りロックで、ブラックで。それでいて抒情的な歌声は苦く、切なく。男の哀愁というか。もちろんベースもうまかった。

 

 どの曲もすばらしいが、今思い出されるのはアルバム「レッド」の中の「フォーリン・エンジェル」だ。堕天使。

 

 Westside skyline crying , fallin' engel dying……

 

 西方浄土が泣いているのだ、ジョンの死を悼んで。


ちあきなおみはすごい!

 昨夜偶然つけたBSジャパンで、ちあきなおみさんの特集をやっていた。特に後半の「ねえ、あんた」7分間ノーカットバージョンを見聞きできたのはラッキーだった(録画保存しました)。

 

 すごいね、この歌唱力、演技力。歌の一人称の女性に入ってしまっている。そして最後の方で、これも名曲「紅い花」。これまでCDからの音源で聴いていたけど、一度歌っているところの映像を見たかった。どんな表情、口の開け方で歌ってるのか。念願果たせました。BSジャパンに感謝します。

 

 あらためて、ちあきなおみさんは日本いや世界でも一、二を争う歌手だと思う。テレビに出ていた最後の頃の番組で、ちあきさんがポルトガルに渡り、ファドに挑戦するというのをやっていたのを想い出した。本場以上でした。

 

 歌謡曲、演歌、流行歌、大衆音楽、いろんな言い方はあるだろうけど、これが芸術でなくて何? と思う。本物の歌はサビにいく前、冒頭でも涙が出そうになる(出ました)。それって何だろう。声の響きだけで震えそうになる。

 

 ちあきさんが歌った三橋美智也の「リンゴ村から」もよかった。女性でちあきなおみ、男性で三橋美智也が日本の歌手の双璧だと思う。やたらビブラート使うそこら辺の歌手とは段違いだ。声、歌という人間楽器。ヴァイオリンの名器よりすばらしい。


時の川に浸食されて〜グレッグ・レイク追悼

 グレッグ・レイク氏が亡くなったと聞いて、ある種の感慨を覚えた。キングクリムゾン初期のヴォーカルで、「墓碑銘」や「ポセイドンのめざめ」の歌声が印象的だ。

 

 後にエマーソン、レイク&パーマーで名を売ったが、「展覧会の絵」のギター弾き語りが秀逸だ。一節にこんな歌詞があった=「eroded by time river」。彼もまた時の流れに浸食されたわけだ。

 

 ELPの作品では「トリロジー」が優れていると思うし、好きだ。透明感がある。クラシックとロックの融合。まさにプログレの傑作の一つといっていい。「I've begun to see the reason why I am here」。あの頃ちょっと生意気な哲学プログレ青少年にはたまらなかった。

 

 歌は決してうまい方ではないと思うが、透明感は独自のもの。晩年はふとっちょのオジサンになってしまったが、最盛期の面影はあった。キース・エマーソンも亡くなったし、寂しい。一方でミック・ジャガーは8人目の子供だと?


ペギー・マーチで行進

初冬

 

 ウォーキングの時に聞く音楽は意外なものが合う。モーツァルトが合うのにはびっくり。60年代のポップスは、これはいかにも。私は速めと遅めを繰り返すが、ペギー・マーチの「I will follow him」は速めのにぴったりだ。シャッフルしたので、どんなジャンルが来るかわからない。バッハも意外に合った。ルネッサンスのリュート音楽が聞こえてきた時はちょっとどぎまぎしたが、グレゴリオ聖歌の時は、修道僧が修行で歩いてる気がしてよかった。小林旭の「熱き心に」もいいですね。あとはツェッペリンかな。今度はBABYMETALで歩いてみようか。リンリンリン、ギミチョコ、女狐!


チャランなサイケ

 今朝NHKの「おはよう日本」の中で、チャラン・ポ・ランタンを紹介していた。なぜNHKで? と思ったら、「みんなのうた」でやっていたんだね。

 無国籍サウンドとか言っていたが、サーカスのアコーディオンからと聞いてなるほどと思った。ちょっと違うが、戸川純や椎名林檎のある種の路線を想い出した。

 で、「ランタン」の名でさらに思いだしたのが、ローリングストーンズの「サタニック・マジェスティーズ」。この中に「ランターン」という曲がある。

 このアルバム、問題作である。確かめたら1967年の作。サイケデリックとか全盛の時代なんだね。サウンドは無国籍というかインド、チベット、中東、なんとかスタンあたりの感じ。シャンバラ、シャングリアなどを想起させる。

 フアンや評論家の評価は低かったが、私は大好き。きわもの、いかもの、ゲテモノというか。このアルバムでブライアン・ジョーンズがブラスやメロトロンを担当したんだって。

 名曲(?)「2000光年のかなたに」で特にブライアンのメロトロンが効果的。なんか後のクリムゾンを思わせる。ひょっとしたら影響を与えたのかも。

 このアルバムの輸入盤(LP)は3Dジャケットでかなり手の込んだもの。今ではかなりのレアものというが、実は持ってます。

 「ベガーズ・バンケット」では対照的なアメリカ南部的なカントリー、フォークっぽいサウンドを展開。このアルバムはもろフォークナーの世界だね。文学哲学青年ミックの面目躍如。この頃のストーンズはかなり「ハイ」だった。いろんな意味で。

BABYMETALはレアメタル

 昨夜たまたまWOWOWを見てたら、BABYMETALのコンサートをやっていて(日本のと英国の)ついつい見ているうちに、オジサンノッちゃった! 最後はフォックスサイン(人さし指と小指を立てる=キツネ)で右手を突き上げていた。

 いや、スゲエ! 3人娘はもちろん、調べたらプロデューサーがしたたか。振付師も武道振り付けもかなり。でもって一番支えているのは何と言っても神バンドだ。

 海外の評では「恐ろしくうまいバンド」といわれているそうだが、その通り。ギター2人、ベース、ドラム。ヘビメタというより70年代のロックの匂いがする。ギターの音がきれいで、好きだ。70年代の音色だ。

 おそらく日本のバンドで欧州あたりで受けたのはハイスタンダードあたり以来か。本場で通用するというより本場を上回っているというのは。

 で、サウンドやリズムに日本的なものも醸し出している。日本の祭りや音頭みたいな。客席でファンが押し合いへし合いみたいなことをやっているのは、まるで青森ねぶたのかつてのカラス族だ。

 稲荷神社じゃないけれど、キツネ教みたいな演出がまた向こうのファンには新鮮なのだろう。まるで宗教の(変な意味でなく)信者の集会、儀式、祭典。

 最後に大きなドラみたいのをたたくけど、クリムゾンとかイエスとか思い出しちゃった。プロデューサーはおそらくその辺を栄養として吸収した人でしょ、きっと。

 コンサート、行きてえー! 神バンド、ナマで聴きてえー!

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