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スペクターサウンドの機微

 フィル・スペクターとはつくづくすごい人だなあと思った。BSTBS「SONG TO SUL」の再放送でロネッツの1963年のヒット曲「 ビー・マイ・ベイビー 」を取り上げていた。でもロネッツの話より、プロデューサーのフィル・スペクターの話になっちゃうのだ、存在が大きくて。

 

 スペクターサウンドは「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれた。録音で複数のテイクを重ねていくオーバーダビングを何度も繰り返す。重厚なサウンドは当時としては斬新で多くのミュージシャンに影響を与えた。スペクターは偏執的なまでに理想とするサウンド作りにこだわったという。

 「ビー・マイ・ベイビー」をカバーしたのはベイ・シティ・ローラーズ 、リンダ・ロンシュタット、 ジョン・レノン、それに我が国の弘田三枝子氏などなど多数。ドラムの出だしなど、当時としては新しかったとあらためて思う。

 

 曲・アルバムをプロデュースしたり影響を与えたのはキース・リチャーズ 、ブライアン・ウィルソン、ライチャーズ・ブラザーズ、 ビートルズ、ビリー・ジョエル、ブルース・スプリングティーン、大滝詠一氏などなど実に多く、いずれも大物。ちなみに大滝氏が手掛けた松田聖子氏の「風立ちぬ」は、もろスペクターサウンドだ。

 

 ビートルズとのからみでは、ポール・マッカートニーとのエピソードが興味深い。「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」にオーケストラやコーラスをかぶせたスペクターのプロデュースを、ポールは「オリジナル・コンセプトを無視した過剰プロデュース」と強い不満を持ち、憤慨したというのだ。でもオーケストラ、コーラス付きのあの曲が好きです。

 

 ジョン・レノンとジョージ・ハリスンはソロ・アルバムのプロデュースをスペクターにしてもらっている。私は特にジョージ・ハリスンの「オール・シングス・マスト・パス」が大好きなのだが、スペクターサウンドなくしてはあんな名作にはならなかったのでは、と思う。決してジョージの力量をおとしめているのではなく。あのスペクターサウンドの響き、余韻の中には、人生の、世界の機微が含まれている、確実に。

 
 ご承知の人も多いと思うが、フィル・スペクターは2003年2月、自宅で女優ラナ・クラークソンを射殺した容疑で逮捕され、今も収監中だ。何年か後に出所の予定と聞いたが、どうなるのか。

 

 ロネッツの他のヒット曲の紹介を聞いているうちに、耳になじみの曲がテレビから流れてきた。「WALKIN'  IN  THE  RAIN」だ。ウォーカー・ブラザーズがカバーしてヒットした。そういえばウォーカー・ブラザーズのサウンドもフィル・スペクターに似ている。ドラムやストリングス、エコーの使い方が。いや実にスペクターの影響は大きい。20世紀の音楽の功労者だ。

 


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  • 2018.09.20 Thursday
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