<< 古い奴ほど | main | 情報って伝わるの? >>

スポンサーサイト

  • 2017.07.02 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


あいまいME


060906朝日新聞「思想の言葉で読む21世紀論」<全体知>
バズワード=一見専門用語のように見えるがそうではない、明確な合意や定義のない用語のこと。Ex Web2.0 ブロードバンド ユビキタス
 最初は専門家の用語として狭い世界で使われ始める。しかし一度メディアに登場すると、意味はあいまいなまま広がり、時代を語るキーワードとしてもてはやされる。
 1960年代にも科学用語を使った難解な言葉が流行し「大衆を惑わすバズワード」と問題にされたという。半世紀と同じように時代の先が見えないことが背景? 「背景には、情報が飛躍的に増えたために逆に世界の全体像が見えにくくなっている現実がある」。「知識や情報が少ない時代には、世界の全体について語ることができた。そうした全体知は大学や学問の世界ではとうに崩壊してしまった」(佐藤卓己)
 個人がすべての情報を知り理解することは不可能。「部分知」に強い専門家も全体知の欠乏の不安に直面している。結果として時代の大きな枠組みをとらえるように見える言葉がもてはやされる。全体知が失われた空洞を、意味があいまいな言葉が埋めるという構図。
 さらに思考の節約。限られた時間で膨大な情報を処理しなければならない現代社会では、思考を節約して先に進むことが必要。世間に広がっているステレオタイプ(紋切り型)の意見や言葉に頼らざるを得ない。
 ドイツのプラスチックワード。言語学者のウーヴェ・ペルクゼンによると、世界には文明の正しい方向を示すように見える新種の用語が数多く現れている。発展、近代化、情報など。意味があいまいでプラスチックのように変幻自在に形を変え、手軽な言葉としてメディアや政治家の演説で盛んに使われる。批判や疑問を受けることなく人々を同意させられる。ほとんどの言葉は昔と意味が大きく変わっているのに、正確な定義が問題にされることはない。「耳に心地よい言葉だけが、アメーバのように変形しながら世界を席巻している」。
 強制もされないのに、思考の節約のために自ら進んでプラスチックワードやバズワードの磁力に人々が吸い寄せられていく。


以上の論旨はもっともだと思う。今のメディアや教育はそんな言葉ばっかりではないか。そんな言葉が必要な場合もあるだろうが、必要なのはもっともっと少ないはずだ。市川雷蔵演じる「眠狂四郎女妖剣」の中で、狂四郎の台詞に「ありもしない神など信じるからこのザマだ」というのがあって、若いときシビレちゃったことがあるが、ニーチェか丸山圭三郎なら「ありもしない言葉など信じるからこのザマだ」となるのではないか。山本周五郎の小説を読んでいると、知らないというか、昔は使われていて今はほとんど使われなくなった日本語がいっぱい出てくる。古語というのとも違う。いい言葉ばかりだ。紋切り型とか、吉田健一いうところの符牒とかとはまるで違う。たとえば「おもかげ」は「面影」
でなく「俤」と書く。いいねえ。
脱線するけど、五つの赤い風船の「遠い世界へ、旅に出ようか…」という歌を聴いていて「だけど僕たち若者がいる」というフレーズに腹が立った。若者がいるというだけで、現実現在は辛くとも未来は明るいとでもいうのだろうか。どんな若者かは関係ないのか。あるいは「若い力を体に感じて」というフレーズ。肉体年齢が若くさえあればいいのか。無条件に若さがいいのか。説明責任があるというのはこんなことに関してでないだろうか。
ランボーが十代のときに書いた詩が驚くべきなのは「若さ」がみなぎっているからではなく、人間では現実には不可能な、たとえば200歳ぐらい生きなければ到達できない境地、言葉遣いが表れているからなのではないか。脳味噌は年とともに衰えるかもしれないが、精神は熟練、円熟、練達の度を深めていく。実年齢は関係ない。でもやっぱり、体力があって無理がきく若さっていいかな。そういえばもっと直截に「若いってすばらしい」という歌があったなあ。臆面もないなあ。「明日がある」という歌もあったが、水を差すようで悪いが、明日というものは実際にはない。今日というか、現在があるばかりである。明日になればそれは明日ではなく今日で現在なのだから。人間は昨日にも明日にも生きられません。そこで今日は大盤振舞、切り抜きをもう一つ。

朝日新聞20050714「交錯するファンタジーと現実」河合隼雄
 人間にとってファンタジーは極めて大切だ。「現実」は思いの外に多層的、多義的なのだが、一般の人はそれを一義的・単層的に見がちである。それがあまりにも固定してくると、生活は単調になり、無感動になる。それを突き破り、人間の心を活性化するものとして、ファンタジーがある。
 ファンタジーの重要性に気づいたのか、最近は流行ぎみだが、困ったことに多くは頭で考えた「つくり話」になり、エンターテインメントや一時的気休めとしては役立つものの、人間の心の深みに働きかける力を持ってはいない。
 リアリティーとファンタジーは単純に二分できるものではなく、お互いが他を含み合うような微妙な関係にある。両者の虚実の皮膜の間に飛び散る火花のようにイメージが生まれ、それが心の真実を伝えてくれる。

スポンサーサイト

  • 2017.07.02 Sunday
  • -
  • 20:50
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
五つの赤い風船
五つの赤い風船五つの赤い風船(いつつのあかいふうせん)は、日本のフォークソング|フォーク黎明期に現れたフォークグループ。1967年結成、1972年解散。2000年再結成。数多くのヒットを出し、若者に絶大な人気を得た。メンバー* 西岡たかし* 中川イ
  • 2007/05/18 10:39 AM
calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM