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島音楽



キング・クリムゾンの第4作は、それ以前とメンバーが大幅に入れ替わった。残ったのは(ロバート・フリップ以外では)フルート、サックスのメル・コリンズ、そして詩とプロデュースのピート・シンフィールドである。ま、ピート・シンフィールドがいるので、前の3作の流れに大きく言えば沿っている。しかしロバート・フリップの意図如何にかかわらず、このアルバムはクリムゾンにとってエポックになった。
A面の大半はインド洋か太平洋、大西洋、どこでもいい。昔の大洋を巡るコロンブス、バスコ・ダ・ガマ、マゼラン…、あるいは海賊かの嵐の中の航海を思わせる。発売当初の解説で「バルトークの影響」云々というのがあったが、そんなことはどうでもいい。要はエキゾチシズムなのだ。英国orヨーロッパからいったん出たということなのだ。日本でいえば小栗虫太郎や香山滋の小説の世界だね。
その遠い旅先で出会ったのは、なんのことはない。シェークスピアかビートルズの作品に描かれているような不倫や嫉妬や青春やお祭り騒ぎだった。お釈迦様の掌の中の孫悟空だったのだ。
世界の果て、いや宇宙の果てに見い出したのは地元、つまり英国だった。最後のタイトルチューン「ISLANDS」は島国をうたったものだ。この点は日本にもあてはめることができる。
そんなことはともかく、この「ISLANDS」は美しい。荘厳だと言った人がいる。その通りだと思う。ヴォーカルのボズに関してはとかくの議論もあったけど、この曲の歌唱に関しては、よかったと思う。十分に曲の世界を表現している。

 Beneath the wind turned wave
Infinite peace
Islands join hands
'Neath heaven's sea

この曲ではこの詩句が中心をなす。情景でいえば島の夕暮れ、夕焼けの海が徐々に暮れていってやがて日が沈む。それも嵐が過ぎ去った後の、とびっきり澄み渡った海と空の黄昏れだ。発売当時、これを聴いた私は、その頃の澱みからやっと脱出できた。感謝してもしきれない作品なのである。この頃のメンバーの作品はこれだけだが「Earth bound」というライブがあり、音質はすごい悪いけれど演奏はなかなかよかった。
このアルバムのアイランドとは結局、島宇宙なのだと思う。すべての人は島にはあらじ。島とは自分であり、故国であり、宇宙ということ。この作品のヒントとしてはオルダス・ハックスレーの名作「島」もあったのではないか。


ところで昨夜(正確には今日未明?)夢の中でこんなことが提示された。ここにある物体、たとえば立方体があるとする。その現実は、物質的にそこにあるということだけでは成立しない。そこにある現実とともに、寸法その他が実際と寸分違わないそのヴァーチャルがあり、それがそっくりそのまま物体に重なっているのだ。現実は"現実"だけでは現実ではない。そのヴァーチャルが正確に重なって存在して、初めて現実になるのだ。ということを示された。なぜなのかはわからない。これは今後考えていかなくてはならない宿題となった。(大体もう答の見当はついているのだが)。

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  • 2017.05.10 Wednesday
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